担当者の現場レポート
今回の担当は溝口恵二郎です。 水廻り部分の床が一段上がっているマンションは数多くあります。これは、床下に給排水の配管があるためで、この段差の高さは主に排水の勾配で決まってきます。したがって、この段差をなくすために水廻り部分の床を下げることは、ほぼ不可能に近いです。床を下げるのが無理であれば、下げられない水廻りの床を基準にして、廻りの床を上げることで段差解消が可能となります。
さて、今回は、奥様が糖尿病のため右足を切断し、車いすでの退院を予定している都内在住の老夫婦がお住まいのマンション(3DK)の事例をご紹介します。 築20年程のため、玄関はもちろんのこと、廊下と各居室間の至る所に段差があります。これでは、車いすでの生活は困難なので、最低限使用する室を車いすで移動できるよう改修することになりました。 最低限使用する室とは、寝室・トイレ・洗面所・リビングです。これらの室の行き来を自走でできるよう廊下・寝室の床を洗面所の床にあわせてフローリングにてかさ上げをしました。リビングの床を上げるとその他の部屋やキッチンとの関係で支障が出るため、リビングと廊下間には備え付けのスロープを設けました(写真参照)。
改修前
スロープ設置後
また、洗面所の入口の開口を広げることで、車いすでのアプローチを楽にしてます(写真参照)。
洗面所入り口 改修前
洗面所入り口 改修後
トイレ・寝室の扉は開き戸でしたが、有効開口を少しでも広くするため、取外しをしロールスクリーンとしました(写真参照)。
ロールスクリーン設置
浴室の扉も開き戸は内側が広く使えないということもあり、あわせて折れ戸に取替えをしています。 廊下の床を上げることで、結果的に玄関の上がり框のところで段差が増えてしまいますが、ご本人一人で出歩くことは難しく、外出する場合は必ずご主人等が付き添われるので、事実上は支障がないということになりました。
本来このような場合は、全面的なリフォームが望ましいのでしょうが、ご予算のこと、将来もここに住み続けるのかどうかといった問題等もあり、最小限の工事というご依頼によりまして、部分的に改修をするということになりました。 また、今回は、退院の日が急遽決まったこともあり、最初のご依頼から、設計・見積・工事完成まで2週間程という短期間で行いました。お客様のはっきりした要望等が初めからあったので、短期間での工事が可能となったと思います。
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