担当者の現場レポート
第19回目のレポートは、野原が担当です。
【浴室内事故の3割が溺死!】
高齢者の住宅内における事故の発生率の高さはよく知られているところですが、特に最近注目されているのは浴槽内の事故死(溺死)です。浴槽内事故死は、家庭内事故死の実に三割を占めます。溺死の原因は、脳血管障害や心臓発作等、血流に何らかの影響があり溺死するケースがほとんどだそうです。事故が起こる前に対応が可能なのであれば、積極的に浴室の改修について考えるべきだと思います。ここでは特に浴槽に焦点を絞りレポートしていきます。
【実際にあった事故の例】
都内に住むSさんは、お一人暮らしです。 高齢により脚力が低下し、他の疾患の影響もあり足のむくみがとてもひどくなってきました。現在の浴槽は作りつけのタイル張り浴槽です。洗い場からのまたぎが高く足があがらないため、その点だけで浴槽に入ることができない状態でした。改修は、公費を利用し、浴槽を浅型のタイプに交換。洗い場からふちの高さも400とし、深さも500と浅くしました。
●事故
●原因
【浴槽交換の注意点】
改修前に、改修後の入浴の仕方について十分検討し、シュミレーションすることが一番大切です。特に浴槽内での動作を十分検討することです。安全に座れるか、立ち上がれるか、立ち上がる際どこにつかまるかなど事細かに考えておかなければなりません。 ベッドなどで足を伸ばして座った状態やベッドに腰掛け片足づつ上げたときどの程度まで上がるかなどから、どのくらいの大きさの浴槽が立ち上がりによいのか判断します。対象者の方に実際に動かしてもらい体の大きさや動きを把握していないと、どんな浴槽がふさわしいか選定できません。 また、改修後でも、福祉用具を利用することが前提なら必ず利用する、必ず見守りをつけるなど改修前の前提条件をかならず実行していただくことが大切です。
【浴槽を選ぶ際の注意点】
浴槽は高齢者向きとしては、一般的にはまず、浴槽内での体の安定性を考え浴槽内壁が垂直なものをおすすめします。さらに尻をついて足をのばした状態で足先が壁に付くことです。その上で、洗い場との関係を考慮しながら、またぎがしやすい深さ、高さの浴槽を選びます。ただし、浴槽のまたぎ方によっては浴槽の大きさを大きくとらなければならない場合もありますので、その場合は足先がつかないこともありえます。
【事例紹介】
・改修前
・改修後
I邸:改修前
I邸:改修後
F邸:改修前
F邸:改修後
N邸:改修前
N邸:改修後
【公費利用について】
浴室改修に関しては、公費を利用できる場合があります。物理的なバリアの多くは自治体の制度を利用して対応が可能です。 まず、介護保険では、浴室は介護保険で認められている『住宅改修の種類』の中の『床段差の解消』が浴槽に関係する部分です。 また、介護保険以外の制度では、自治体により異なりますが、高齢者のための設備改修などがあり、その中で『浴槽の交換』または『浴槽改修』という項目があり段差の解消をともなう浴槽の交換が認められています。
<現場レポートの一覧へ戻る>
▲ このページのトップへ戻る