| 【はじめに】
今回は、横江が担当します。
タテ手すりの取付けは、頻繁に依頼されることが多い工事の一つですが、その長さも取付け位置も利用者の身体状況に合わせて様々です。ちょっとしたブラケット(手すりをとりつける金具)の選定でとても使いやすくなりますのでいくつかの事例をご紹介します。
【写真1】
開き戸を開ける動作は、体を前後に動かさなければならない為に、歩行の不安定な方には苦手な動作であるばかりか、転倒につながる場合もあります。
これは外開きの扉の脇に長さ40cmの手すりを取付けた例です。
高住研の標準仕様である袖口に引っ掛からない『ユニバーサルブラケット』を使用しています。
廊下へ出る扉を開けるたびに体のバランスをくずし、後方へ転倒を繰り返していたKさんにとっては、なくてはならない手すりとなりました。
【写真2】
廊下から内開きの扉を開けると見えてくるタテ手すり。これも長さ40cmのものですが、『オフセットブラケット』を使用しているため、握る部分を壁から大きく離して取付けることができます。前述のブラケットが、壁から7cm程離れるのに対して、こちらは離れが10cmで、かつ、大きく湾曲しているので、内側の壁にむかって手首をかえすことなく、すっと手を伸ばせば届く位置に手すりを設置することができます。
片手だけでつかむことを不安に感じるYさんでしたが、この位置ならばしっかり両手でつかまることができました。
【写真3】
これは、階段に取付けた長いタテ手すり。あと2〜3段という階段の途中で壁がなくなり、手すりが終わっているお宅は結構多いもの。2〜3段とはいえ、幅も狭くなり踏み外したら怖いなぁと真っ先に思いました。
ここでは、壁の出隅に沿ってタテに90cmで取付けました。
ここから落ちて骨折をしたTさんでしたが、手すりから手を離さずに上下に移動させることで、安心して下まで降りてこられるようになりました。
また、昇る時も手すりをつかむ前傾姿勢が、重心を前に移動させ、楽に体を引き上げてくれます。
【写真4】
最後にT字型に低い位置に取付けたタテ手すり。以前は、Mさんはここで靴を脱いで、上がり框の方に向きを変え、いつも壁の角に手をかけて立ち上がっていらっしゃいました。
最初は、もう少し高い位置に取付け、立ち上がれるようにと考えていたのですが、「横江さん、僕の動きをよく見てて」と何回か立ち上がりの動作をしてもらい、ヨコ手すりの途中から『チーズ』というブラケットを使って下方の壁に取付けました。
余談ですが、Mさんはご自分のアイディアが採用されたこの手すりが、一番気に入ってくれています。
【最後に】
手すりをつけましょう...というお話は、ケアマネージャーさんやご家族の勧めを受け入れて始まることが多い様です。
しかし、どの様に取り付けたら、使いやすく、普段の動きを安全に行えるかは、実際に使うご利用者様のお話が一番大切です。
結果としてオーソドックスな取付け位置に決まったとしても、一緒にお考えていただき取付けた手すりは、その後も愛着をもって使っていただいていることが多いようです。
工事の後に「ここにつけてみたらどうかと思うんだけど、また見にきてくれないかしら?」とお電話をいただくとこちらまで嬉しくなってしまいます。
1本の手すりをきっかけにご自身の安全に自ら興味をお持ちいただき、ご家族の間で「よかったね」と話題にしていただけるような改修で、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
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【費用】 |
タテ手すり 木製ディンプル付 長さ40cm 取付費込 7500円(税込)
(下地がない場合 補強板取付費 5200円より) |
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